古楽夢 ~七拾壱~
木曾海道六拾九次之内
大津/広重画
中山道は大津宿へ入って高札場のある札の辻で直角に左へ曲り、逢坂山へ向かって坂道を登っていた。この絵は坂の途中にある関清水町辺りから坂下の札の辻とその先にある琵琶湖を望んだものである。関清水町と札の辻との間の町並みは「大津八町」と俗称され、ここに本陣、脇本陣を始め多くの旅籠屋が並んでいた。玲瓏鏡の如しといわれた湖面には白帆の舟が浮かんでいる。湖岸には湖畔随一の湊があり、舟で運ばれてきた北国や湖周辺の産物はここから牛車で上方方面へ運ばれて行った。今大津八町を米俵を積んだ牛車が2台登ってくる。それを物見遊山の親娘3人が物珍しそうに眺めている。さて『木曾街道六十九次』の最終駅まで辿りついていわば大団円を迎えた広重は、この絵の中で色々な遊びをしている。右手から2軒目の旅籠屋には「ヒロ」の紋と、「重」の旗を掲げ広重自身を表現している。左手手前の旅籠屋では旗と柱行燈を使って「いせり」(錦樹堂)が刊行した「新板」が「大当」するのを願っている。その先の家には瓢箪から「大吉」の出るのを祈った旗も見える。右手手前の旅籠屋の壁の「全」はこのシリーズの完結を意味し、これが金になるよう期待して丸金の図案が各所に使ってある。
切手で見る江戸の人物像 その三 (女性編)
郭中美人競 若松屋内緑木
団扇を持つ娘
糸屋小いとか相
当世游里美人合 橘中妓
風流美人揃 傘さす女
野崎村(部分)
六玉川内伊出
玉川てうじや内唐歌
風流世代美人洗い張り
青楼美人六花仙
松葉屋喜瀬川
風流五節句上巳
文字楼一と本