古楽夢 ~六拾四~
木曾海道六拾九次之内
番場/広重画
この絵の左方に、石垣の上に築いた土塁が描かれている。敵から城を守る枡形のある城門を見付といい、宿場でも入口に城門を真似た土塁を築き、これを見付と呼んでいた。この絵は東の見付から番場宿内を見通したものである。大田南畝は『壬戌紀行』の中で「此駅にかっけ(脚気)の薬、あしのいたみに妙薬などいへる看板多し」と書いている。広重はこれらの看板を利用して版元と自分の宣伝にぬかりがない。右側宿場入口で一膳めしや酒さかなを出す茶屋の看板には版元伊勢利の商標である山形に林と、伊勢利からとった「いせや」が見えている。左側やや奥の茶屋には、広重のヒロの紋に「歌川」と書いた看板がかかり、そばきりや一膳めしを売っている。右の茶屋から短刀を差して出てきた男は宿役人のようである。店の前には宿駕籠が置いてあるが、駕籠舁の姿がない。その脇を通り過ぎる白い着物を着た男は、伊勢神宮へ抜け参りに行く奉公人であろうか。右の松の木の脇から宿場を出立せんとしている管笠を被り、引回合羽を着た男は、旅商人か飛脚であろう。左の方の見付を出た所では馬子達3人が立話中である。規則上は許されなかったが、彼等は醒ヶ井宿へ行く客を、帰り馬に乗せて稼ぐつもりで屯しているのであろう。
切手で見る日本の城 その一
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