古楽夢 ~壱~

古楽夢(壱)

木曾街道六拾九次 続の壱
英泉/日本橋雪之曙

 前夜まで降り続いていた雪も上がり、一面の真っ白な世界。川の両岸に並ぶ蔵や商家の屋根、橋の欄干、擬宝珠(ぎぼし)までが白銀に輝く中、真っ赤な朝日が昇り始めた。

 そんな静けさを破り、日本橋辺りでは、早くも人々のなりわいが始まった。山積みの荷車を押す裸の人足。てんびん棒やかごを担いで魚を運ぶ河岸の魚屋。おしゃべりしながら橋を渡る商家のおかみさん風の女性たち。続く通りのにぎわいが目に浮かぶようです。

 右端に道中合羽の人物がいる。木曾街道への旅の一歩を踏み出したこの作品の作者、渓斎英泉その人ではなかったかとも言われています。

広重/日本橋の白雨

広重/日本橋の白雨

東都名所「日本橋の白雨」です。
白雨は夏の季語
雨傘に出版元の佐野喜の文字が遊び心のように書かれています。

  中山道の第一歩は日本橋北詰からスタート(東海道を行くなら南詰からスタート)。

北詰めからほどなく今川橋にさしかかります。

 左側が現在の鍛冶町一丁目でレオマックスの所在地に差し掛かります。

この辺りは鍋や釜などの生活用品や大工道具、刀工などの鍛冶職人の町で賑わっていたそうで地名も鍛冶町と言われています。日本橋界隈は商業の中心地でもあったのです。