古への散歩~江戸歴史文化への誘い~

古への散歩

 江戸時代の最大の特色は、何といっても2世紀余にわたり太平が続いたという事実です。

 島原の乱以降、維新の戊辰戦争に至るまで、長期間、一政治が平和裡に全領土を実効的に支配した例は世界的にも類を見ません。

 平和だったからこそ経済は発展し、文化は成熟しました。

 歌舞伎や浮世絵など、庶民の伝統文化が花開いたのは江戸時代なのです。江戸の職人たちの優れた手技によって、洗練された日用品がつくられ、“いき”な美意識も育まれました。

 こうした江戸時代は、人々が“やさしさ”や‘お互いさま’といった心根を持ち、物を大切にする“エコロジー社会”でした。

 江戸の文化を学ぶことによって、現代のギスギスした社会を見直すきっかけとなれば、そのことが地域再生の道へと繋がることになるでしょう。

 江戸の文化と歴史を知ることは、単に江戸を懐かしむことではなく、むしろ江戸時代の伝統から明日への活力を学び取るところに、その意義があるのだと思います。